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サラリーマン時代に苦痛だった3つのこと

サラリーマン時代、苦手というか嫌だなと思うことが3つありました。

1つは長い会議です。結論も出ずに延々と何時間も続く会議に参加していると、頭が朦朧として
思考力がゼロになってしまいます。1日中会議が続く日などは、朝から気が重いだけでなく、
仕事帰りにお酒を飲みに行っても、ちっとも酔えないなんてことがよくありました。ですから
自分が招集する会議は極力1時間以内、長くても1時間半くらいで終わるようにしていました。

2つめは、朝といわず夜といわず呼び出し音が鳴る携帯電話です。特に週刊誌のデスクをしている
時には、取材に出かけた記者からの報告、原稿に行き詰まった新人記者からの泣き言めいた相談、
企業の広報担当者からの売り込みやクレーム、編集長からの無理難題などなど…。お酒を飲んで
いても、就寝中でも、休日でもお構いなし。気が休まる暇がありませんでした。

3つめは、人事評価です。特に成果主義的な人事評価システムが導入されてからは、部下を評価
することだけでなく、自分が評価されることも苦手でした。年に2回、上司との面談を前に自分の
仕事の成果を書き出すのですが、大したことがない実績でも針小棒大に“作文”することが苦痛で
なりませんでした。逆に他人には評価されなくても自分では十分満足している仕事もあり、
最終的にはそちらのほうに重きを置きながら日々を過ごしていました。

会社を辞めたことでこれら3つの苦痛からは解放され、精神的にはすこぶる楽になりました。
とはいえ、3つめの「評価」に関してはお客様から店を評価されるという形で残っています。
ネット上の口コミサイトでの評価はほとんど見ることもありませんが、親切にも「点数が
トップ5000に入ったよ」などと教えてくれる方もいます。

このサイトに関しては“やらせ”が問題になったり、運営者側が「お客が自由に書き込むサイト
だから」と削除等には応じない一方で、「お金を出せばもっとお店の情報が載せられます」
といった営業電話がかかってくるのを経験してからはほとんど信用していません。しかし、
こうした評価が一人歩きして、これまでとは違ったお客様の来店が増えてきたように思います。

例えば、お酒を全く飲めない方が来られるケースです。お聞きすると「話題の店だから」とか
「スカイツリー周辺で点数が高い店だから」といった理由で、とりあえず確かめに来られている
ようです。8席しかない小さな店がそうしたお客様で占められ、本来の日本酒好きなお客様が
入れないという事態が起こるようになりました。同様の状況に悩んだ知り合いの店は、悪循環を
断ち切るために移転までしたほどです。

こんな不便な場所までわざわざ足を運んでくださるお客様を分け隔てする気持ちはありませんが、
多くの人に日本酒の美味しさを伝えるという店に込めた思いは大事にしたいと思っています。
正直に申し上げると、お酒を飲める方だけにご来店していただきたい。そのうえでお客様からの
どのような評価も甘んじて受けたいと思います。そして、サラリーマン時代のように他人からの
評価はさておき、自分が本当に満足できる仕事を大切に積み重ねていくつもりです。

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2 Comments to “サラリーマン時代に苦痛だった3つのこと”

  1. 和田@ひるね蔵

    こんばんは。
    非常に姿勢のハッキリしたお店造りをなさっていて感嘆しました。
    上の文中、
    >成果主義的な人事評価システム・・・
    とありますが、わたしもそれが納得できずまた馴染めませんでした。
    早期退職してから(年代はちがいますが)この文章と同じ想いを持ちました。
    いつか、お伺いさせてください。
    お店の電話に御連絡いたします。
    ちなみに、酒はのめますが強くはありません。ただ非常に好きです。
    どうぞ、よろしくお願い致します。

  2. 和田さま

    たしかに人が人を評価するのは難しいですね。
    会社員時代は会社内の人間関係や出来事が人生の全てのような
    感覚がありましたが、辞めてみたら大したことはなかったですね(笑)。

    素人が気ままにやっている店ですが、お時間がありましたら
    お越しください。お酒は全て半合から提供しますので、
    お好きなだけ味わってください。お待ちしています。

    suga

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